【寄稿頂きました】天文と梅雨

今回は天文衛星のサービス検討の際、ヒアリングにご協力いただいた 宇宙物理系の大学院に通われている
うさぎ座ハンター さん
https://twitter.com/l_e_p_u_s 
から「天文と梅雨」をテーマに応援寄稿をいただきましたのでご紹介させていただきます!


天文と梅雨

梅雨の季節。

天気痛などに悩まされる人も多いですよね。
私もその中の一人で、
どうしても憂鬱な気分になってしまいます。

あなたはせっかくのお休みが雨だったら・・・
どのように過ごされていますか?

私はプラネタリウムの投影を見に行くことが大好きで、
休日にはよくお気に入りの科学館である「名古屋市科学館」に遊びに行きます。

同じテーマでも星空は毎日変わりますから、毎日通っても新たな発見がありますし、
学芸員さんによってもお話しされている内容が違うので、すごく面白いのです。

しかし、プラネタリウムの投影を見に行くことがおすすめです!と手放しには言えないご時世になってしまいましたね。

全国の科学館や国立天文台などの公式ウェブサイトでは、科学に関する動画やペーパークラフトなど、おうちでも宇宙を楽しむことができるコンテンツがたくさん公開されています。
ぜひ探してみてください。

さて、お休みの日だけでなく、平日だって関係なく雨は降ります。

私は平日には、大学院生として宇宙に関する勉強や研究をしています。
「星の研究をしている」
「夜は望遠鏡を使って星の観測をすることもある」
そんな話をすると、

「雨が降ったらどうするの?」
とよく聞かれます。

地上の望遠鏡を使った研究をしている天文学者は、雨の日に何をしているのでしょうか?

雨が降ると望遠鏡のある観測室の屋根を開くことができません。
さらに、望遠鏡はとっても繊細で湿度にも強くないですから、雨が降っていなくても湿度が高い※と基本的に観測はできません。
※湿度の具体的な数値は天文台によりますが、80%〜95%を超えると観測中止のところが多いです。

それじゃあお休み・・・?
というわけにはいかないのです(^^;)

望遠鏡を使って得たデータは、研究で扱える形に処理し、解析をしていきます。
望遠鏡を使った観測よりも、この解析が結構大変だったりします。

解析の手法を誤ってしまうとうまく結果に繋がらないため、試行錯誤の連続です。
そしてようやく解析が終わり、新しい成果が出ると
学会で発表をするための準備をしたり、論文にしたりします。

このように、望遠鏡を扱う時間よりも、データの解析やまとめに使う時間の方が実は圧倒的に⻑いのです。

実際に、まだまだ解析が済んでいないデータは世界中にたくさんあります。

パンデミック下において、在宅勤務をすることになった研究者が
過去の観測データを見直していたところ
新しい発見をした、なんて例もありました。

かの有名なアイザック・ニュートンも、
ペスト大流行により大学が閉鎖され故郷に帰っていた際に
万有引力の法則の着想を得たそうです。

そう考えると、梅雨の時期や、緊急事態宣言など
気分が落ち込むことも多いですが、
お家でゆっくりと何かを考える時間も大切にしたいですね。

でもやっぱり、雨の日でも雲の上まで望遠鏡を持っていけたら楽しいだろうな・・・
なんて考えてしまいます♪



というわけで最後は半分宣伝にご協力いただいたような形となりましたが
尽星では雨の日でも曇りの日でも宇宙空間で天文観測ができる天文衛星SpaceEyeを開発中です。
ご興味の方はこちらをどうぞ!
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コメント

  1. akari より:

    素敵なエッセイ、楽しく拝読いたしました。

    さまざまなデータの分析・解析の先に、あらたな発見や宇宙への理解があるのですね。

    星の見えない夜も、宇宙についてのデータを読み解こうとしているひとがいると思うと、いち天文ファンとしてとても嬉しく感じました。

    とはいえ、雲の上に望遠鏡を持って行ける日が来るのもまた待ち遠しいです!

    • koichi より:

      akari様
      コメント頂きありがとうございます。
      また、お返事遅れすみません。

      雲の上の望遠鏡、いい響きですね。
      色んな人に宇宙を身近に感じてもらえるよう、開発していきたいと思います。

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